部活動地域展開(地域移行)とは?
地域クラブ活動とは? 新たな価値とは?
地域展開した後の部活動は、「地域クラブ活動」となっていきます。
学校部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させつつ、新たな価値を創出することが重要とされています。
実施形態や活動内容等は地域の実情に合った望ましい在り方で多様な形があり得るとし、それぞれの地域でベストな方法を検討していくことになります。
やり方は自由な反面、基準が無いことに戸惑いもあるかもしれませんね。
「民間クラブチーム等との区別や質の担保等の観点から、国として、地域クラブ活動の定義・要件や認定方法等を示した上で、地方公共団体において認定を行う仕組みを構築していく必要」があると2025年10月の有識者会議で話され、新たなガイドラインには認定制制度に関しても明示されています。
Ⅱ 地域クラブ活動の在り方及び認定制度
1 地域クラブ活動の在り方
●地域クラブ活動においては、学校部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させつつ、地域全体で支えることによる新たな価値を創出することが重要。
●地域クラブ活動の具体的な実施形態や活動内容等は多様な形があり得るところであり、部活動改革の理念やスポーツ・文化芸術の役割や意義を踏まえて、地域の実情等に応じた適切な形態等で実施することが重要。<学校部活動が担ってきた教育的意義の例>
①スポーツ ・文化芸術 ・科学等の楽しさや喜びを味わい、生涯にわたって豊かな活動を継続する資質や能力を育てる。
②体力の向上や健康の増進、感性・創造性・表現力の育成につながる。
③自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成する。
④自己の力の確認、努力による達成感、充実感をもたらす。
⑤互いに競い、励まし、協力する中で友情を深めるとともに、学級や学年を離れて仲間や指導者と密接に触れ合うことにより学級内とは異なる人間関係の形成につながる。<地域クラブ活動において実現が期待される新たな価値の例>
①生徒のニーズに応じた多種多様な体験(複数の競技種目等に取り組むマルチスポーツや総合文化芸術、スポーツと文化芸術の融合、レクリエーション的な活動等を含む。)
②生徒の個性・得意分野等の尊重
③学校等の垣根を越えた仲間とのつながり創出
④地域の様々な人や幅広い世代との豊かな交流
⑤適切な資質・能力を備えた指導者による良質な指導
⑥学校段階にとらわれない継続的な活動(引退のない継続的な活動)及び地域クラブ活動の指導者による一貫的な指導 等・ 地域クラブ活動は、競技性や成果のみに偏重するのではなく、生徒が生涯にわたってスポーツや文化芸術活動を楽しむために必要な資質・能力等を育てることを主な目的とするものであることに留意すること。
・ 学校部活動と同様、地域クラブ活動は、あくまで生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであることに留意すること。

地域クラブ活動は、部活動の良いところ(教育的意義)を受け継ぎながら、地域全体で支えることでより開かれた場所になっていくってことかな。
中学生の活動の幅が広がるのはもちろんのこと、地域の方々や障害のある方等も参加できるような新しい活動になることが期待されているのですね。
度々出てくる「新たな価値」
少子化対策や働き方改革などの言葉から、やむなく実施する施策?と考える方もいるかもしれませんね。ですが、この機会に新たな価値を見出し、持続可能でウェルビーイングの向上をも目指す、地域社会全体で誰もがwin-winになる取り組みにしていくことこそが部活動の未来、地域展開の形なのかもしれません。
認定制度はどうしてあるの?
部活動は地域展開すると地域クラブ活動に変わります。地域クラブ活動には認定制度が設けられます。
部活動にはなかった制度ですが、何のために認定が必要となるのでしょうか。
ガイドラインでは以下のように示されています。
Ⅱ 地域クラブ活動の在り方及び認定制度
2 地域クラブ活動に関する認定制度
地域クラブ活動に関する認定制度の趣旨や概要等は、下記のとおりである。詳細については、別冊資料①「地域クラブ活動に関する認定制度」を参照されたい。
(1)趣旨
●部活動の地域展開により実施される「地域クラブ活動」について、競技力向上を主目的としたチーム・スクール等との区別や質の担保等の観点から、国が本ガイドライン(別冊資料① 「地域クラブ活動に関する認定制度」)により示す認定要件及び認定手続等に基づき、市区町村等において認定を行う仕組みを構築する。
●認定された活動については「認定地域クラブ活動」と呼称する。
※認定要件に沿って、市区町村等が自ら運営する地域クラブ活動については、認定したものとみなす。(2)想定される認定の効果
①生徒・保護者等に対する市区町村等による情報提供
②地域クラブ活動の運営等への公的支援
(財政支援、学校施設等の優先利用・使用料減免、学校備品等の活用等)
③地域クラブ活動への従事を希望する教師等の兼職兼業の積極的な許可
④生徒の大会・コンクールへの円滑な参加(地方公共団体における交通費・宿泊費の支援やスクールバスの活用、大会参加規程の見直し等)(3)認定制度の概要(認定要件・認定手続等)
【認定要件】
①学校部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させた活動であり、生徒が身近な地域で希望する活動に主体的に参加できるようにすることで、豊かで幅広い活動機会の保障に寄与するものであること(選抜等の不実施、障害のある生徒や運動 ・文化芸術活動が苦手な生徒等を含めた参加環境整備等を含む。)
②適切な活動時間や休養日が設定されていること
③活動の維持・運営に必要な範囲で、可能な限り低廉な参加費等が設定されていること
④適切な指導の実施体制が確保されていること(日本版DBS の活用を含めた不適切行為の防止徹底、「認定地域クラブ活動指導者」登録制度により登録された指導者による指導等)
⑤適切な安全確保の体制が確保されていること
⑥適切な運営体制が確保されていること
⑦学校等との連携が適切に行われていること※円滑な実施の観点から、一定の経過措置を設定(原則として令和8年度末まで)。
※市区町村等が、地域の実情に応じて、上記に加えて独自の要件を設定することも考えられるが、地域クラブ活動の多様な実態を踏まえ、生徒の活動機会が十分に確保されるよう留意。【認定手続等】
●地域クラブ活動の運営団体が、各実施主体の申請書等をとりまとめて市区町村等に提出。市区町村等は、申請書等に基づき、必要に応じてヒアリングや現地確認等を行いつつ審査の上、認定を実施。
●認定の有効期間は、最長3年間の範囲内で、地域の実情に応じて市区町村等において設定。
●市区町村等は、定期的な報告やヒアリング、現地確認等により、認定地域クラブ活動の取組状況等を適宜把握し、申請の際に行われた誓約に基づき、必要な指導助言等を行うとともに、不正があった場合等の認定取消しを実施。(4)認定されていない地域クラブ活動の取扱い
●地域クラブ活動は上記の認定制度に基づく認定を受けて活動することが基本となるが、認定されていない地域クラブ活動についても、その運営団体・実施主体において、中学校等の生徒を対象としたスポーツ・文化芸術活動としての質の担保等の観点から、認定要件に準じた活動を実施することが求められる。
●特に、活動時間・休養日の設定や、暴力・暴言・ハラスメント(性暴力等を含む。以下同じ。)、いじめ等の不適切行為の防止、生徒の安全確保については、地域クラブ活動の運営団体・実施主体において、適切な対応を徹底すること。

認定制度はこれまでの部活動のように、子どもたちが安心・安全に活動できるようにするための制度なんだね。
それぞれの学校や地域によって地域クラブの形は違うけど、基準となる制度があることで、活動に必要な環境を整えることができるんだ。
改革を進めるにあたっての基本的な考え方 まとめ
- 改革の理念等を幅広い関係者で共有
- 具体的手法は地域の実情等に応じた多様な選択肢を認める
- 活動の場を増やすだけでなく、活動内容の質的向上も図る
- 対面とデジタルを最適に組み合わせる等新たな手段も最大限活用する
- 受益者負担と公的負担のバランス等の費用負担の在り方を検討し、国・都道府県・市区町村が支え合いながら適切な支援を行う
- 障害のある子どもや運動が苦手な子ども等を含め、多様な子どもが希望に応じて安心して活動に参加できる環境を整備する
- 地方公共団体等において、地域クラブ活動に関する情報を整理集約し、学校と連携して、生徒・保護者にきめ細かな情報提供を行う


